松崎港においては、二級河川那賀川河口部に津波対策として水門設置が計画されており、水門より上流側の係留施設を利用している漁船等の一部が水門を通過できなくなることが想定されている。本業務では、水門設置位置より上流部における港湾施設の利便性の低下を解消するため、港湾施設の効率的な配置計画を立案することを目的として実施した。まずは、現況特性を把握するため、港内を利用している漁船等の隻数を港勢等により把握するともに、関係機関(漁協およびマリーナ事業者)にヒアリングを行い、移転に伴う課題の抽出、移転候補地の比較選定を行った。また、移転が必要となる隻数を推計したうえで、物揚場の必要延長を漁船の船級別に算定した。移転候補区域に新規に整備すべき港湾形状を設定し、概算事業費を算定した。さらに、波浪変形解析(エネルギー平衡方程式)により沖波から港口までを推算し、算定した波浪を用いて、高山法により港内波高を検討した。計画区域における物揚場の静穏度が休けい利用を可能とする波高以下となる港湾形状を波向き別に検討を行った。静穏度解析結果を踏まえ、今後の沖合展開における課題について留意点を整理した。