期 間
2022/03/11~2023/01/31
本業務は、静岡県が想定する津波への対策として、焼津漁港焼津内港B地区における陸閘2基を対象とした基本設計である。資料収集・整理では、隣接する既設岸壁の構造諸元や、過年度設計の胸壁の土質資料解析および液状化判定等を確認した。設計条件の設定では、陸閘の諸元を決定するため、通行車両を対象とした車両軌跡図により必要開口幅を検討し、利用者との協議用資料を作成した。また、陸閘のゲート形式には、ライフサイクルコストに優れるフラップゲート式陸閘を採用した。構造形式の抽出では、レベル2地震時の液状化による変位が大きいため、基礎地盤対策工として「杭基礎構造」と「地盤改良工法」を抽出し、計画断面を設定した。また、杭径や地盤改良の範囲について、レベル2地震時の応答解析(FLIP)のトライアル計算により諸元を設定した。構造形式比較の結果、中港2号陸閘では安定性、耐久性、経済性、施工性、維持管理性において有利となる「杭基礎」を採用し、中港4号陸閘では「地盤改良工」を採用した。施工計画では、施工手順や施工ヤード等を整理した施工ステップ図を作成した。
期 間
2022/03/03~2023/01/31
本業務は、宇久須港海岸における離岸堤、突堤等の海岸保全施設の長寿命化計画の策定である。資料収集整理では、現地踏査により海岸保全施設台帳と対象施設の整合性を確認した。また、老朽化の概要を把握し、追加調査の必要性を確認した。初回点検では、陸上目視、海上目視、潜水目視、肉厚測定を実施し、老朽化の状況を定量的に把握した。また、離岸堤や潜堤についてはグリーンレーザー測量の点群データを用いて消波ブロックの個数を集計し、定量的に老朽化状況を判定した。防護機能の評価では、老朽化の進行が著しい第一突堤を「健全度A」として評価し、現時点において施設の性能を満足していない結果となった。修繕に関する計画では予防保全対策と事後保全対策に区分し、第一突堤については、鋼矢板に貫通孔が多数確認されたため、更新を前提とした対策や施工計画を検討し、積算システムを用いた精度の高い施工費用を算出した。予防保全対策については、マルコフ連鎖モデルによる予測を行い、計画策定期間内のライフサイクルコストを算出した。これらの内容をとりまとめ、長寿命化計画を立案した。
期 間
2022/03/31~2022/09/30
本業務は、御前崎港水門(マイターゲート1号)および防潮堤取付部を対象に、「静岡県第4次地震被害想定」を受けた最新の津波シミュレーションで設定された設計津波に対し、既存施設の改良を目的とした実施設計である。
細部設計では、基本設計時の二次元地震応答解析(FLIP)結果から抽出した底版部の加速度から照査用震度を設定し、部材計算により配筋要領を決定した。また、配筋図を作成した。付帯施設の設計では、防潮堤の海側に2mのコンクリート腹付けをする計画であったが、水門本体工との離隔が小さく、型枠の組外しが難しい状況になった。そこで、陸打ちしたブロックを残存型枠として施工する構造を提案し、施工時の安定計算やクレーンの吊能力に応じたブロックの最適な形状を決定した。実施設計では、図面および数量計算書を作成し、積算根拠資料を作成した。施工計画では、起重機船等の施工機械の規格を検討し、施工ステップ図を作成した。関係機関協議資料として、名古屋技術調査事務所に提出するための確認申請資料を作成した。
期 間
2022/03/31~2022/09/30
本業務は、御前崎港海岸の港内4号ゲートにおいて、津波や高潮等の災害から人命、財産を守ることを目的とした陸閘の細部設計および実施設計である。細部設計では、「陸閘基本設計」で定められた諸元に基づき、詳細な部材構成や部材諸元を決定し、使用限界・終局限界における配筋計算および配筋図の作成を行った。底版の配筋計算では、レベル2地震時の作用に対し安全性を確保するため、FLIP解析結果から照査用震度を算出し、配筋を照査した。また、ひび割れによる鉄筋腐食の発生が懸念され、維持管理性向上のため、ひび割れ誘発目地の構造細目を検討した。機器仕様については、将来的な遠隔制御システムの整備を考慮し、400Vから200Vに降圧するトランスの設置を検討した。付帯施設設計では、避難用の鋼製階段、現地踏査にて確認した排水経路の切り回しを検討した。胸壁取付設計では、隣接する東埠頭4工区の胸壁設計成果を基に、西側取付区間の設計条件等を整理し、躯体諸元を決定した。実施設計では、粘り強い構造として背後地のコンクリート舗装を検討し、陸閘の図面、数量計算書を取りまとめた。
期 間
2022/03/12~2022/09/30
本業務は、福田漁港の外郭施設(防波堤、導流堤)、係留施設(岸壁)の現地調査により、対象施設の健全度を評価し、既存の機能保全計画書の更新を目的とする。簡易調査(重点項目)では海上・陸上目視を行い、基礎捨石の洗堀やコンクリートの欠損および、消波工の移動・散乱を確認した。詳細調査では潜水目視と肉厚測定調査を実施し、鋼矢板の変状の有無や肉厚の減少を確認した。これらの結果を基に老朽化度と健全度を評価し、著しく機能が低下している変状については対策が必要であると判断した。また、鋼矢板については予防保全対策を行うため、劣化予測により電気防食や被覆防食を設置する時期を確認した。現状で健全な部材は、マルコフ連鎖モデルによる劣化予測により将来的な老朽化度の比率の変化を予測し、対策が必要となる時期を把握した。機能保全対策の検討では、現状で老朽化度が低下している施設を対象に、変状の状況に応じて対策工法を3案抽出し、ライフサイクルコストを考慮して経済的な案を選定した。機能保全計画書の作成では、本業務の調査結果や機能保全対策の内容について、既存の計画書を更新した。
期 間
2021/09/15~2022/04/22
本業務は、静岡県御前崎港管理事務所が所管する御前崎港海岸の陸閘10基を対象とした自動閉鎖システムの基本設計である。主な準拠基準は「津波高潮対策における水門・陸閘等管理システムガイドライン」である。システム方式検討は、津波到達時間が最短4分と短い地域特性を考慮し、地震計を基本とした自動閉鎖システムを立案した。また、これを補完するJ-ALERTの導入、さらに不測の事態に対応すべく常駐組織による遠隔手動操作の組合せを検討した。当該地の自治体である御前崎市と操作委託に関する協議を実施し、消防本部からの遠隔手動操作を可能とする計画とした。現場拠点、御前崎港管理事務所、消防本部等の各局を接続する通信ネットワークとして、各種方式(有線回線、陸上無線回線、衛星回線)を検討し、VPN回線と衛星回線による回線構成とした。映像監視設備は、監視カメラの機器構成及び仕様を設定した。陸閘閉鎖に伴う交通安全対策として、道路情報板による情報提示と交通遮断機を検討した。電源設備計画は、低圧受電となる規模で電源系統を集約し、商用電源と予備電源を供給する計画とした。これらの運用管理に関する操作規則(案)を取りまとめた。
期 間
2021/08/27~2022/03/18
福田漁港の突堤(B)及び防砂堤を対象とした、耐震・耐津波対策の基本設計である。資料収集整理では、航行船舶や漁業活動への影響を最小限とする計画の立案や陸上施工ヤードを確保するため、漁業関係者へ漁業活動の最盛期や陸揚げ時間等のヒアリング及び現地踏査を行い、課題図を取りまとめた。設計条件の設定では、最新の津波シミュレーションの地形条件を確認し、レベル2地震後の必要天端高を設定した。また、30年確率の設計波を算出するために、波浪変形計算を行った。基本断面の設定では、突堤は「嵩上げ+裏(表)腹付け案」「グラウンドアンカー+嵩上げ案」「鋼管矢板案」、防砂堤は、「嵩上げ案」「地盤改良案」「鋼管矢板案」を抽出した。
期 間
2021/08/24~2022/03/15
沼川新放水路が国道1号と交差する部分について、国道1号の道路詳細設計を実施した。また、交差部において国道1号本線部の橋梁詳細設計を実施した。
国道1号の道路詳細設計は、国土交通省中部地方整備局沼津河川国道事務所等の関係機関との協議を踏まえ、橋梁工事のために切り回しを実施した国道1号を現在の位置へ復旧するための国道1号本線及び副道の詳細設計を実施した。国道1号交差部に新たに設置する橋梁の橋面高が、現況道路高より高くなることから必要となる、重力式擁壁の詳細設計を実施した。橋梁詳細設計においては、河川条件を踏まえ決定したPC単純プレテンションT桁橋の詳細設計、逆T式橋台、橋台基礎工(鋼管杭)、仮設構造物詳細設計(切梁式土留め工)を実施した。橋梁の施工計画においては、国道1号迂回路へ影響が及ばないように設計を実施した。また、国道1号副道下に静岡県が管理する流域下水管が埋設されており、下水道管の位置が、橋梁の杭基礎に影響する可能性が高く正確な埋設位置の把握が必要となった。下水道管の深さが土被り10m程度と深く試掘調査が困難であることから、非破壊調査であるボアホールレーダーによる調査を実施した。
期 間
2020/08/28~2022/03/15
本業務では、沼川新放水路が国道1号と交差する部分について、交差構造の比較検討及び国道1号迂回路詳細設計、遮音壁検討、埋設管移設設計、軟弱地盤対策、橋梁予備検討を実施した。沼川新放水路と国道1号の交差構造は、過年度設計では3連ボックスカルバート構造を採用していたが、維持管理の観点を重視し、管理区分をより明確にできる橋梁構造に変更した。迂回路詳細設計では、国道の管理者である国土交通省沼津河川国道事務所や国道1号に接続する市道の管理者である沼津市、静岡県公安委員会等の関係機関と協議を実施した。遮音壁検討は迂回路が現道と比べ沿線の民家に近接するため、騒音予測を実施して高さ2mの遮音壁を設置する設計とした。埋設管移設設計は上水道やガス、光ケーブルを新放水路整備に影響を与えないルートに移設する設計を実施した。迂回路の整備区間に存在する腐食土層が盛土によって約90cmの圧密沈下を生じる結果となったため、軟弱地盤対策として対象層を全て良質土に置換えし迂回路の信頼性を確保する設計とした。橋梁予備検討では、将来の副道管理が沼津市に移管される可能性を考慮して、副道橋を本線橋と分離した構造として検討した。
期 間
2021/08/11~2022/03/01
本業務では、坂口谷川水門の早期完成に向け、工事工程の検討を行うとともに、令和4年度末を目標とした暫定運用のための暫定配線路について詳細設計を行った。また、右岸側の海岸堤防へ取付く堤防の詳細設計を行うとともに、左岸側の取付堤防工事の電算帳票を作成した。工事工程の検討では、管理橋の架設を左岸側から行う場合と右岸側から行う場合について検討を行った。その結果、右岸側としても1ヶ月程度しか工期を短縮できないため、施工ヤードの借地が不要な左岸側から架設を行う工程とした。暫定配線路設計では、大規模な地震が発生した際にゲートが閉鎖するための遠隔監視の機器類を抽出し、それが機能するような配線設計を行った。